遺言は必ず作成しなければならないですか?

遺言の作成は、もちろん各人の自由です。
経験から申し上げれば、遺言は作成したほうが、相続での争いをかなりの割合で減らすことができます。

遺言書が必要なのは、例えばどんな人ですか?

特に法定相続と異なる遺産の分け方をしたい場合と、お子さんのいないご夫婦の場合は遺言書が必要です。

遺言書が必要な場合

  • 法定相続と異なる遺産の分け方をしたい
  • 子供がいない
  • 未婚である
  • 事実婚、内縁関係である
  • 離婚や再婚をして前妻(夫)の子供がいる
  • 夫に隠し子(認知した子供)がいる(かもしれない)
  • 相続人同士の仲が良くない
  • 家業を継いでいる相続人がいる
  • 相続人が多い
  • 財産が自宅だけで、預金が(あまり)ない
  • 子供の一部に、学費や家を購入する際の頭金などで多額の援助をした
  • 一部の子供だけが親と同居したり、親を介護した
  • 認知症の妻や障害のある子供など、世話が必要な人がいる
  • 相続人の生活の状況にかなり差がある
  • 介護をしてくれたお嫁さんに報いたい
  • 先祖伝来の土地を分割せずに守ってもらいたい
  • 素行不良の子供を相続人から除きたい
  • 遺贈、寄付をしたい

遺言書が出てきたら、まず何をしたらいいですか?

公正証書遺言以外は家庭裁判所に申し立てをし、検認を受けます。
もし遺言書に封がされている場合、勝手に開けないでください。封印された遺言書は家庭裁判所による検認手続きの場で開封します。
勝手に開封しても遺言書は無効にはなりませんが、違反すると5万円以下の過料に処せられます。検認をしなかったときも同様です。

また、亡くなられた方が法務局に遺言書を預けている場合もありますので、相続人は、自分を相続人や受遺者等・遺言執行者等とする遺言書が遺言書保管所(法務局)へ預けられているかどうかを確認することができます。法務局に遺言書が預けられていた場合、検認は不要です。

遺言書があった場合、その内容どおりに相続しなければいけないですか?

遺言者の意思を尊重すべきであることは申し上げるまでもありませんが、相続人全員の同意があれば、自由に変えられます。
遺産分割協議で相続人全員が納得して意見が一致すれば、遺言書に指定された内容と違う分け方をすることもできます。

自筆証書遺言と公正証書遺言のどちらがよいのでしょうか

遺言の有効性、保管の確実性、検認手続が不要である点などから、公正証書遺言が望ましいと言えます。

遺言書の書きたいのですが、まずどうしたら良いでしょうか?

遺言書は、家族への最後のメッセージを伝えてくれる、大切な書類です。
そう考えると、遺言書を作成するには、ご自身の願いと、ご家族の将来について、毎日少しずつ考えを深めていくことから始めてはいかがでしょうか。
考えが徐々にまとまってきたら、実際に遺言書の作成を始めることになりますが、法的に有効な遺言書を作成するには、書式を正確に守り、数多くの書類を集め、財産を明らかにすることが必要です。専門家にご相談いただくことで、正確かつスピーディーに遺言書を作成することができます。

遺言書は法律の規定に従い、正しく作成しないと無効となり、ご自身が亡くなった時に遺言の内容を実現できないことも起こり得ます。