おおよその相続税

相続が開始して悩むことの一つに、「相続税がかかるか否か」があります。

「相続税がかかるか否か」を正確に判断できるのは税理士や会計士です。ですから、「かかるか否か微妙なケース」については特に、最終的には専門家に相談することになります。

とはいえ、「まずは自分でおおよそのところを知る方法はないのかな」と思われますよね。

「相続税シュミレーション(新生銀行)」で計算

数値を入力するだけで相続税を自動計算してくれる簡易システムです。新生銀行のホームページ上で利用できます。

相続税を自動計算してくれるページは色々ありますが、知識のない方でも利用できるものとして、こちらのシステムは優れていると思います。まずは、こちらを利用することをお勧めします。

●相続税シュミレーション|新生銀行

さらに詳しい相続税の計算は「国税庁・タックスアンサー」

詳細な相続税の計算をしたい方は、「国税庁のタックスアンサー」をご利用ください。

●タックスアンサーNo.4152相続税の計算|国税庁

法改正があった場合でも、国税庁のページはきちんと新しい内容にアップデートされます。相続税に関するあらゆる情報が掲載されています。

「ざっくりと目安を」という方には、

「シュミレーション」や「タックスアンサー」は面倒。「ざっくりと目安が分かればいい」という方に。

(遺産の総額) - (3,000万円+600万円×法定相続人の数)

「3000万円+600万円×相続人の数」は、「基礎控除額」や「非課税枠」と呼ばれています。この金額は必ず遺産の総額から差し引いて相続税を計算します。

例えば、「遺産の総額6000万円」で、相続人の数が3人の場合は、6000万円-4800万円=1200万円となります。

計算の結果が1200万なので、1200万円に一定の税率を乗じた相続税を納付する可能性があります。

また、「遺産の総額が4000万円」で、相続人が3人の場合は、4000万円-4800万円=-800万円となります。

このように計算の結果がマイナスになる場合は、相続税は発生しない可能性が高くなります。

こちらの計算方法は本当におおまかなもので、実際の計算方法は複雑です。おおよその目安を知りたいという方のために、誰にでもできる計算方法としてご承知ください。

基礎控除額があることからも「相続税は必ずかかる税金ではない」という点もご理解いただけるかと思います。「相続が開始したら必ず相続税を払わなければならない」ということでないのです。

国税庁の令和2年度の統計データによると、相続税が課税される割合は、10件に1件程度といえます(課税割合は年間死亡者数のうち8.8%)。詳しいデータは下の国税庁のホームページに掲載されています。

●国税庁|令和2年分相続税の申告事績の概要

相続税がかかる方は、相続税の申告書を作成して、相続税を払わなければなりません。しかし、相続税がかからない方は、そもそも相続税の申告書は作成する必要はなく、通常の相続手続き(遺産分割協議・預金解約・相続登記など)を行えばよいのです。

ただし、「配偶者控除」や「小規模宅地の特例」のような特例を利用することで相続税をかからないようにする場合は、相続税がかかる場合と同様に、相続税の申告書類を提出しなければなりませんので注意が必要です。